企画展　魚へのまなざし― 長嶋祐成と大野麥風 ―

2023年5月27日（土）～　2023年7月2日（日）※火曜休館

〈　魚に魅せられた二人の画家　〉

　透き通るような水彩絵具をもちいて細やかな筆遣いで魚を描き、「魚譜画家」として注目をあつめる、長嶋祐成(1983年- )と昭和初期に「魚の画家」として名声を博した日本画家、大野麥風(1888年 - 1976年)。魚に魅せられた二人の画家の展覧会を開催します。

　魚のしなやかな動きや鱗の輝きなど、生態をつぶさに観察して描かれた作品は、画家の生物そのものに対する好奇心に満ちた眼差しによって、親しみやすさと愛らしい魅力をたたえています。

　大阪に生まれた長嶋祐成は、幼い頃の釣り体験をきっかけに魚に魅せられ、魚を描くことを通して水辺から得る素晴らしい自然を未来へと引き継ぐことを目指し活動しています。国内外からの依頼にこたえて様々な魚を描くほか、自らの文章を添えた絵本や図鑑など出版活動でも魚の魅力を発信しています。

　明治期に東京に生まれた大野麥風は、洋画を学んだ後に日本画に転向し、関東大震災後、関西に移り住み、兵庫県西宮市で長く活動しました。特に魚を好んで描き、代表作『大日本魚類画集』は、大野が描いた原画を木版画職人による「原色木版二百度手摺り」ともうたわれた高度な技で摺り上げられた美しい版画集で、出版当時に好評を博しました。

　本展では、姫路市立美術館が所蔵する『大日本魚類画集』の全72点の中から、大阪湾近海で見ることができる身近な魚たちを中心に40点を選び、長嶋が描いた日本の海に生息する彩り豊かな魚たち約60点を加えて一堂に紹介します。また、開催地である尼崎の海の歴史を伝える資料展示や、様々な関連プログラムもあります。

魚の絵を通して日本の豊かな海の恵みを感じてください。

〈　画家紹介　〉

‣長嶋　祐成（ながしま　ゆうせい）1983＿

大阪府生まれ。京都大学総合人間学部卒。デザイン会社勤務などを経て、 2016年4月石垣島に移住。個展での作品発表の他、絵本『きりみ』（河出書房新社 2018年）、『THE FISH 魚と出会う図鑑』（河出書房新社 2020年）など書籍の出版や様々な媒体への作品提供、京都水族館、陸前高田市立博物館などに展示用の作品制作を委託されるなど、幅広く活躍している。

‣大野　麥風（おおの　ばくふう）1888＿1976

東京都生まれ。洋画を学んだ後、日本画に転向。関東大震災を機に兵庫県西宮市に移り住み、同地を拠点に日本画家として活躍。1937年に西宮書院から出版された版画集『大日本魚類画集』では原画を担当した。 2010年に姫路市立美術館、2013年に東京ステーションギャラリーにおいて個展が開催され、今なお多くのファンを魅了している。

関連事業

‣長嶋祐成　アーティスト　トーク　「いまこの瞬間を生き、そうあるものを描く」

〈　日時　〉5月27日（土） 15：00 ～ 16：30

〈　対象　〉どなたでも

〈　定員　〉30名（事前申し込み）

〈　参加費　〉無料（要・展覧会チケット）

‣長嶋祐成　ワークショップ 　「尼崎の水の生き物を描こう」

〈　日時　〉① 5月28日（日）　13：00 ～ 16：00

　　　　　　② 7月1日（土）　 13：00 ～ 16：00

〈　対象　〉小学生以上

〈　定員　〉各15名（事前申し込み）

〈　参加費　〉無料

‣学芸員による作品解説会

〈　日時　〉6月10日（土）15：00 ～ 16：00

　　　　　　6月24日（土）15：00 ～ 16：00

〈　対象　〉どなたでも

〈　定員　〉20名（当日先着）

〈　参加費　〉無料（要・展覧会チケット）

‣「さかなの日」スペシャル

　毎月3日から7日の「さかなの日」にちなみ、尼崎の魚を食べたり、ゲームで楽しく学びましょう。

　①魚つりゲーム

　　『尼崎産魚』に描かれている魚のイラストを釣り上げて遊びます。

　　　〈　日時　〉６月３日（土）10：00 ～ 17：00

　　　　　　　　　６月４日（日）10：00 ～ 17：00

　　　〈　場所　〉尼崎市総合文化センター ４階展示室内

　　　〈　参加費　〉無料（要・展覧会チケット）

　②尼崎のお魚弁当

　　尼崎で釣れた魚を釣り人から分けてもらうフィッシュ・シェアリングに取り組む、武庫川魚港「ことぶき食堂」によるお弁当を販売します。

　　　〈　日時　〉６月５日（月）12：00 ～

　　　〈　場所　〉尼崎市総合文化センター ４階　エレベーター前

　　　〈　数量　〉37個（先着順）

　　　〈　価格　〉500円（税込）

‣海の学びフェス（野外会場）

　　　〈　会場　〉尼崎運河

　　　〈　集合場所　〉北堀キャナルベース（尼崎市道意町6丁目）駐車場あり

　【　６月18日（日）　】

　　　①尼崎運河クルーズ

　　　　キャナルガイドの解説を聞きながらボートで運河を巡ります。

　　　〈　時間　〉1回目（10：00～）　2回目（11：00 ～）

　　　〈　対象　〉中学生以上

　　　〈　定員　〉各回8名

　　　〈　参加費　〉無料

　　　　※雨天の場合は６月25日（日）に延期します。

　　　②環境学習「尼崎の海を知ろう」

　　　　尼崎運河周辺の生物調査や観察、水質浄化活動を通じて、命のつながりや持続可能な社会について学びます。

　　　〈　時間　〉10：30 ～ 11：30

　　　〈　講師　〉中岡禎雄（ネイチャークラブ）

　　　〈　対象　〉小学生以上

　　　〈　定員　〉20名

　　　〈　参加費　〉無料

　【　６月25日（日）　】

　　　③パドルボート体験（SUP Canal Cruising）

　　　　パドルボートを自分で漕いで尼崎運河の水上さんぽを楽しみます。

　　　〈　時間　〉1回目（9：30～）　2回目（11：00 ～）

　　　〈　対象　〉中学生以上

　　　〈　定員　〉各回4名

　　　〈　参加費　〉2,000円（レッスン料、レンタル料、保険料込み）

※服装は、動きやすい、濡れてもいい格好でご参加ください。ジーンズは不可。洗面所、着替えできるトイレあり。

※履物はシュノーケル用シューズ、濡れてもよい運動靴などで、底が厚くないもの。裸足可。

※前日の天気予報で降水確率が50％以上または、風速６ｍ以上の時は中止します。

【　ご注意　】

‣長嶋祐成　アーティスト　トーク　「いまこの瞬間を生き、そうあるものを描く」

‣長嶋祐成　ワークショップ 　「尼崎の水の生き物を描こう」

‣海の学びフェス（野外会場）

上記のイベントにつきましてはすべて事前のお申込みが必要です。

以下の申込先に5月6日(土) ～ 21日(日)の間に電話でお申込みください（先着順）。

お問い合せ・申し込み先：

尼崎市総合文化センター 文化課美術担当

TEL.06-6487-0806（10：00 ～ 17：00）※火曜休館

その他詳細

主　　催	公益財団法人尼崎市文化振興財団
後　　援	尼崎市、尼崎市教育委員会
協　　力	姫路市立美術館、尼崎市立歴史博物館、ネイチャークラブ、株式会社尼漁開発、尼崎運河〇〇クラブ、武庫川魚港ことぶき食堂
特別協力	船の科学館「海の学びミュージアムサポート」
ホームページ	https://www.archaic.or.jp/event/gallery/detail.php?id=486