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イベント情報

リニューアル記念特別展 文豪新生~谷崎、阪神間へ・100年の一歩~

2023年4月15日(土)~9月10日(日)

情報掲載日:

ほんの一時の避難のつもりで関西へ逃げて来たことが、私を今日あらしめた第一歩であった(「東京をおもう」)。

谷崎潤一郎は、明治19(1886)年東京に生まれましたが、

大正12(1923)年の関東大震災を逃れ、阪神間へ移住します。

 震災の頃、谷崎の眼に映っていた東京は、乱脈な近代化の進行と立ち遅れた貧相な生活文化との、醜悪な習合でした。 そんな東京を「みんな焼けちまえ」と呪い、震災の廃墟のむこうに「西洋化の徹底」としての「理想の近代」の復興を夢見ていたモダニスト谷崎。

一方、阪神間移住後の谷崎は、震災の後も相変わらず薄っぺらな東京の有様への嫌悪も背景に、「西洋かぶれ」のモダニズムから、 関西の豊かな風土に根づく日本の伝統的な文化と美意識へと、その作品の基調を移していきました。

 阪神間への移住を転機とした作家谷崎の歩みは、やがて名作「細雪」にたどり着きます。それは、伝統に根ざした日本のモダン、 みすぼらしい東京の「醜い近代」にかわる、関西の豊かな生活文化を土壌とした理想のモダンの文学的な結実であり、文豪谷崎新生の記念碑でした。

 故郷東京への屈折した思いを背負いながら、関西の風土と文化の影響の下で、大文豪へと開花していった谷崎潤一郎。 関東大震災から100年の今年、阪神間への旅立ちが第一歩となった、作家谷崎の文豪としての新たな誕生の様相を跡づけ、 リニューアルオープンを迎える芦屋市谷崎潤一郎記念館の「新生」をも記念します。

特別展開催時の記念館入場料:

一般500円、65歳以上250円、高校・大学生300円、中学生以下無料。