第43回 尼崎薪能
2022年5月27日(金)
能「安達原」あだちがはら
紀伊国(今の和歌山県)那智、東光坊(とうこうぼう)の修験者、阿闍梨・祐慶(あじゃり・ゆうけい)は、同行の山伏らと共に、諸国を巡る修行の旅を続けていました。
ある日、陸奥の人里離れた安達原(今の福島県安達太良山麓)に至ったところで、日が暮れたので明かりが灯った家が一軒だけあったので宿を借りようとする。一人で淋しげに年齢を重ねた女が一人住む家でした。祐慶たちは、一夜の宿を頼みますが、女はあまりにみすぼらしいからと、いったん断りますがあてのない一行を哀れに思って、一行を中に招き入れます。
家の中で祐慶は、見慣れない道具を見つけ、女に尋ねます。すると女は、枠桛輪(わくかせわ)という糸車であり、自分のような賎しい身分の者が取り扱うのであると、祐慶の求めに応じて糸車を回しながら話します。女は辛い浮き世の業から離れられないわが身を嘆き、儚い世をしみじみ語ります。
夜も更け、女は夜の寒さをしのぐために薪を集めに山へ取りに行くと祐慶に告げ、留守の間、決して寝室を覗かないようにと念押しして出ていきます。一行はしばらく休むことにしましたが、祐慶に戒められながらもこっそりと、女の閨を覗いてしまいます。すると、そこにはおびただしい数の死骸が、軒と同じ高さまでに山積みされていました。女の正体は、安達原の黒塚に住むと噂にのぼっていた鬼でした。慌てて逃げ出す祐慶一行に、鬼に返信した女が、約束を破かれ秘密を暴かれた怒りに燃えて追いかけ、取って食らおうとします。
しかし祐慶たちが、力を振り絞って祈り伏せると、鬼女は弱り果て、夜嵐の音に紛れるように姿を消しました。
尼崎薪能番組
仕舞 尼崎こども能楽教室
仕舞 菊慈童
仕舞 経正
仕舞 玉鬘
仕舞 野守
火入れ式
仕舞 難波
仕舞 野宮
仕舞 般弁慶
能 安達原
附祝言
詳細データ
日 時 | 2022年5月27日(金) 17:30開演 |
会 場 | 大物川緑地公園野外能舞台 |
料 金 | 無料 |
お問合せ |
公益財団法人尼崎市文化振興財団 TEL 06-6487-0910 FAX 06-6482-3504 |