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イベント情報

ヨドコウ迎賓館|雛人形展

2022年2月11日(金)~4月3日(日)

情報掲載日:

展示される人形は、ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)の建築主である八代目山邑太左衛門氏が、長女の誕生を祝って京都の老舗「丸平大木人形店」に依頼し、明治33(1900)年から34(1901)年の2年間で、収められた人形です。

「丸平大木人形店」は江戸時代の明和年間(1764~1772年)京都に創業、以来二百有余年の歴史を持ち、その作風は写実性を基調とし、有職故実※における時代考証を重視したもので代々京人形、雛人形の逸品として賞賛されています。(※有職故実:朝廷や武家の礼式・官職・法令等に関するきまり)

また、屋号を丸屋(まるや)と称し、当主は代々大木平藏を襲名、通称「丸平」で親しまれています。「丸平大木人形店」は国内外の多くの博覧会に出展し数々の受賞歴を誇り、その作品は皇族・華族にも数多く納入されています。

今日、これらの人形が保存状態も極めて良好で、これだけ揃って残っている例は少なく、文化的にも非常に価値ある作品だといえます。

全33体の人形は、次の三つの人形群に分かれています。

1. 雛人形  内内裏・居稚児・三人官女の人形を中心とした段飾り雛一式

2. 花嫁人形 花嫁姿の上臈を含む5体の人形に、漆塗りの各種嫁入り道具を添えた人形群

3. 花観人形 17体の人形と桜・松等の造りものによって、花見の宴の模様を写した人形群

山邑家は享保2(1717)年創業、約300年の歴史をもつ灘の酒造家で、天保11(1840)年酒造りに適した水として有名な「灘の宮水」を発見し、また「正宗」という酒銘を最初に考案した由緒ある蔵元です。

明治17(1884)年「正宗」に櫻の字を冠して酒銘を「櫻正宗」としましたが、櫻正宗は今もその伝統を守る灘の酒銘として知られています。花嫁人形の調度品が桜の花の蒔絵で飾られているのは、そうした由来によるものでしょう。

「雛人形」の内裏雛は、高さが約45センチと非常に大振りで、重厚な雰囲気が感じられます。また、男雛は女雛と同様に贅沢に重ねた金襴や桜の刺繍が施された華やかな装束を纏っており、ひときわ豪華な構成となっています。

「花嫁人形」「花観人形」は、どちらも衣装の美しさを特徴とした、衣装人形と呼ばれる人形の一種です。これらの人形が作られた頃、江戸末期のベストセラー小説『にせ紫田舎源氏』を題材にして、主人公を中心とした花見の模様を一群の人形で表現することがありました。ヨドコウ迎賓館の花観人形は、時の天皇であった明治天皇を中心とした華やかなものとなっています。

これらの人形は、長女の婚家にもたらされ、受け継がれてきました。しかし、こうした貴重でかつ大量の人形を、それに相応しい方法で保存するのは個人の力では難しく限界があったため、人形にとって里帰りともなるこのヨドコウ迎賓館に戻すことを切望された結果、幸運にもヨドコウの所有するところとなったものです。

ヨドコウ迎賓館の解説(国指定重要文化財、フランク・ロイド・ライト設計)

建築家 フランク・ロイド・ライト( Frank Lloyd Wright )

近代建築3大巨匠の一人と称されるライトは、「有機的建築」を標榜し、自然環境と調和する建築を目指しました。

日本では帝国ホテルの設計で有名ですが、住宅建築に多くの傑作を残し、全業績は1000件以上の設計で、実建築は500件近いともいわれる多作の建築家です。その業績のほとんどは母国アメリカでのもので、現在、アメリカ以外では日本にのみ4件あり、ほぼ完全な形で残っているのは、ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)と東京・池袋にある自由学園明日館の2件だけとなっています。

2019年7月、落水荘(カウフマン邸)、グッゲンハイム美術館など、アメリカの8作品が「フランク・ロイド・ライトの20世紀建築(The 20th-Century Architecture of Frank Lloyd Wright)」として世界文化遺産に登録。

ヨドコウ迎賓館の来歴

山邑家住宅の設計は、灘の酒造家である八代目・山邑太左衛門からの依頼で、娘婿である星島二郎が大学時代の友人であった遠藤新を通じてライトに依頼したものです。当時ライトは帝国ホテル建築のために来日しており、遠藤新はライトのもとでホテル建築に携わっていました。

着工はライトがアメリカに帰国した後の1923年で、実建築はライトの弟子である遠藤新と南信の手によって行われ、1924年に竣工しました。

1947年に社長邸としてこの住宅をヨドコウが購入し、接客・接待の場としても使用したため、後に「迎賓館」という名称となりました。その後、貸家や独身寮として使用しましたが、老朽化のためマンションへの建て替えを計画したところ、1971年に国の重要文化財の指定を受け、調査工事・保存修理工事を経て1989年に一般公開が開始されました。

詳細データ

日  時

2022年2月11日(金・祝)~4月3日(日)

10:00~16:00

休館日:月・木曜日(雛人形展期間中に限り)

ただし、3/3(木)、21(月・祝)は開館

会  場 ヨドコウ迎賓館
料  金

大人 500円、小・中・高校生 200円

(※料金は通常開館時と同じ)

予  約

新型コロナウイルス感染症予防のため、

一日を以下の入館時間枠に区切り、ご入館いただきます。

①10:00~11:15

②11:30~12:45

③13:15~14:30

④14:45~16:00

詳しくは、ヨドコウ迎賓館HPをご確認ください。

お問合せ

ヨドコウ迎賓館

659-0096

兵庫県芦屋市山手町3-10

TEL 0797-38-1720 FAX 0797-38-1720

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