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イベント情報

芦屋ルナホール|阪神間モダニズムの音楽 大澤壽人の室内楽作品より

2022年1月8日(土)

情報掲載日:

大正から昭和初期にかけて、阪神芦屋駅から西へ徒歩で数分の海辺に、洋館が立ち並ぶ一帯がありました。

そこには、ロシア革命や関東大震災を逃れてきたロシア人を中心に外国人音楽家が集まり、のちに「芦屋文化村」と名付けられる芸術家村を形作っていました。ヨーロッパの音楽を直接学ぶため、大澤壽人、貴志康一、服部良一、朝比奈隆 etc. 将来の音楽界を担う若き人材が足を運びます。この演奏会では、作曲家大澤壽人がボストン留学時代に精力的に作曲した室内楽作品の中から《チェロソナタ》と《ピアノ五重奏曲》をお聞きいただきます。また、大澤の音楽の核心を、大澤壽人研究第一人者である生島美紀子の解説で解き明かします。

大澤壽人

1906(明治39)年、神戸市に生まれる。幼少時代から讃美歌を通して西洋音楽に親しんだ。

1920年関西学院中学部に入学。1925年に初来日したピアニスト、ジル=マルシェクスに感銘し、作曲をこころざす。神戸在留のルーチンやヴィラヴェルデにピアノを師事した。

関西学院高等商業学部卒業の1930年渡米。ボストン大学音楽学部とニューイングランド音楽院に入学。作曲家コンヴァースの下で才能を開花した。1933年に日本最初期の《ピアノ協奏曲》を書きあげ、ボストン・ポップス・オーケストラを率いて《小交響曲》を披露。ボストン交響楽団を指揮した初の日本人となった。シェーンベルクの影響を受けて「ウルトラモダン」を目指し、屈指の大作《交響曲第一番》や《コントラバス協奏曲》を次々完成。名指揮者クーセヴィツキが認める新進作曲家に急成長した。

1934年フランスに渡り、エコールノルマル音楽院に入学。デュカとブーランジェに師事。1935年にはコンセール・パドゥルー管弦楽団を率いて自作自演の演奏会を開催し、イベール、オネゲル、ミヨーなどの大作曲家たちが来場。大絶賛を博し華麗なパリデビューを果たした。

1936年帰国。帰朝演奏会では先鋭的な作風が理解されず、日中戦争下に発表した《ピアノ協奏曲第三番 神風》も愛国的でないと批判された。だが屈せず、ラジオや映画、宝塚や松竹の音楽、ジャズ風協奏曲から校歌に至る幅広いジャンルで創作。神戸女学院の教壇にも立ち続けた。

戦後、時代の寵児として大活躍中の最中の1953(昭和28)年に急逝。作曲・編曲を合わせ1000近くの作品を遺した。

2006(平成18)年、大澤家は3万点に及ぶ遺品資料を神戸女学院に寄贈。自筆譜と資料の調査によって比類ない音楽活動が明らかになった。近年は再評価がめざましく、2021年秋にはNHK-Eテレ「クラシック音楽館」から《ピアノ協奏曲第三番》が全国放映の予定。同年末まで民音音楽館(神戸市)で大規模回顧展が開催中。

出演者

林 裕 チェロ Yutaka Hayashi , Cello

東京芸術大学を卒業。日本音楽コンクール第一位、黒柳賞を受賞。

アフィニス文化財団、ローム音楽財団の奨学生として、フライブルク音楽大学を首席修了。青山音楽賞、松方ホール音楽賞大賞、大阪文化祭賞グランプリ、文化庁芸術祭優秀賞等を受賞。

兵庫県芸術文化センターシリーズの年間支持率 No.1 になった。CD「SOLO ist」にシュタルケルが賛辞を寄せた他、レコード芸術の特選盤になった。元大フィル首席奏者。いずみシンフォニエッタ大阪のメンバー。泉の森コンクール、全日本学生コンクール審査員。元相愛大学准教授。2021年現在、神戸女学院大学講師、沖縄県立芸術大学教授。セルヴェ協会名誉会員。

マウロ・イウラート ヴァイオリン Mauro Iurato , Violin

トリノ出身。ヴェルディ国立音楽院を通常より早く最優秀成績で卒業、ウィーン国立音楽大学ではフリッシェンシュラーガー教授に師事。同大学のプロジェクトにより来日、アンサンブル神戸首席コンサートマスターや大阪フィル、HPAC等のゲストコンサートマスターとして多数出演。相愛大学、県立西宮高校各講師。モーツァルテウム大学など海外のマスタークラスで教授。ハルモニアKOBE㈱代表取締役として音楽教育に力を注ぐ。Kobe Art Award 優秀賞受賞。自然と音楽を楽しむための動画プロジェクト開始。また甚大な被害があった母国イタリアのためチャリティーコンサートを行い総額140万円を寄付。

チプリアン・マリネスク ヴァイオリン Ciprian Marinescu , Violin

ルーマニアに生まれ、6歳から12年間ジョルジュ・エネスク音楽院にてヴァイオリンをカルメン・ルンチェアヌに師事、名手シュテファン・ゲオルギウにソリストとしての薫陶を受ける。在学中にソリストデヴュー、各賞受賞。その後チプリアン・ポルムベスク音楽院(現ブカレスト国立音楽大学)に学び、ブカレスト・ヴィルトゥオージ管弦楽団に入団。退団後は、ヴァイオリン教師、トビリシ弦楽四重奏団メンバー、および、自ら創設したハーモニアス室内管弦楽団の音楽監督、コンサートマスター、ソリストとして活躍。2010年より指揮指導を開始、ルーマニアおよび国内で高い評価を得ている。

ザザ・ゴグア ヴィオラ Zaza Gogua , Viora

ジョージア(旧グルジア)の首都トビリシ生まれ。国立トビリシ音楽院卒業、モスクワ音楽院大学院修了。ユーリ・バシュメット氏に師事。グルジア国立室内管弦楽団ヴィオラ奏者を経てトビリシ交響楽団ヴィオラ首席奏者、その後ドイツ・インゴルシュタット室内管弦楽団ヴィオラ首席奏者を務める。1996年、大阪シンフォニカ―交響楽団(現・大阪交響楽団)のヴィオラ首席奏者として来日。1998年にはトビリシ弦楽四重奏を結成し、毎年演奏会を開催している。アンサンブル金沢客演ヴィオラ首席奏者を経て、現在アンサンブル神戸及びハーモニアス室内管弦楽団ヴィオラ首席奏者。また河内長野フィルハーモニックの常任指揮者を務めている。

佐竹 祐介 ピアノ Yusuke Satake , Piano

京都市立芸術大学を首席卒業。同大学院修士課程を修了。

フライブルク音楽大学へ交換留学。吹田音楽コンクール、宝塚ベガ音楽コンクール、神戸芸術センター記念ピアノコンクールに入賞。京都芸術祭新人賞を受賞。ソリストとして京都市交響楽団、京都フィルハーモニ室内合奏団と共演。NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」に出演。アンサンブル・ピアニストとしても活動し、大阪フィルハーモニ交響楽団、兵庫芸術文化センター管弦楽団の各定期演奏会でストラヴィンスキー「ペトルーシュカ」のピアノ・ソロを担当。これまでに森本雅子、両澤隆宏、迫昭嘉、阿部裕之、上野真、M. ロイシュナーの各氏に師事。2007年9月~2010年3月ロームミュージックファンデーション奨学生。

解説 生島 美紀子 Mikiko Ikushima , Musicology

スタンフォード大学大学院修了、音楽学で日本人初の M.A.取得。

A. オネゲルの研究で大阪大学より博士号取得、オネゲル作曲《交響曲第三番 典礼風》の日本初スコアの作品解説を執筆。2006年以来、母校神戸女学院に寄贈された大澤壽人氏の3万点に及ぶ遺品資料の担当教員を務める。自筆譜1万枚を中心に全てを学術調査した「煌きの軌跡」は、音楽クリテイック・クラブ特別賞受賞。初の評伝「天才作曲家 大澤壽人」を執筆し、みすず書房より出版。現在「大澤資料プロジェクト」代表を務め、コンサートや講演会の主催、民音音楽博物館(神戸)における「大澤壽人展」監修などを通して、同氏の音楽の普及活動にあたっている。

詳細データ

日  時 2022年1月8日(土) 15:00 開演 14:15 開場
会  場

芦屋市民センター(ルナ・ホール)

チケット

全席指定

一般 3,000円(当日 3,500円)、高大・院生 2,000円、

小中学生 1,500円(当日 同料金)

チケット販売

・芦屋市民センター事務所

 【9:00~17:30(日・祝は17:00まで)、火曜休】

・芦屋市役所売店【南館地下1階 9:30~17:00 平日のみ】

・ローソンチケット(Lコード 53705)

・チケットWEB予約( http://www.city.ashiya.lg.jp/kouminkan/shijigyou.html

アクセス JR芦屋駅、阪急芦屋川駅より徒歩約7分、阪神芦屋駅より徒歩約8分
主  催 芦屋市・芦屋市教育委員会
資料協力 神戸女学院
お問合せ

芦屋市民センター(ルナ・ホール)

〒659-0068

芦屋市業平町8-24

TEL 0797-35-0700

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