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尼崎あにあんレポート 「兵庫県立ピッコロ劇団第55回公演『メトミミトヤミ――小泉セツと八雲の怪談――』」の記者懇談会に行ってきました!<第1弾>

このページを印刷する2016年5月26日

 6月4日(土)・5日(日)、9日(木)~12日(日)、ピッコロシアター大ホールにて、「兵庫県立ピッコロ劇団第55回公演『メトミミトヤミ――小泉セツと八雲の怪談――』」の上演があります!

 

metomimitoyami


本公演は、尼崎出身、第4回近松門左衛門賞受賞作家の角ひろみさん新作書き下ろし作品。
2014年「囁谷シルバー男声合唱団」で ”演劇界の芥川賞” といわれる第59回岸田國士戯曲賞の最終候補に選ばれ、次代の演劇界を担う劇作家として大きな期待を集める角ひろみさんがピッコロ劇団員とともに創る最新作です。
(あにあん倶楽部でのご紹介記事はこちら

 

 

 

今回、マスコミ向けの「メトミミトヤミ――小泉セツと八雲の怪談――」の記者懇談会に、あにあん倶楽部も呼んでいただきました!劇作家の角ひろみさん、演出家の鈴木田竜二さんが、今回の作品について、どのような思いで作られたのか、解説などを中心にお話していただきました。



メトミミトヤミ1

(左)角ひろみさん  (右)鈴木田竜二さん


【演出家 鈴木田竜二さん】
ピッコロ劇団文芸演出部に所属し、ほとんどの公演で舞台監督を務める鈴木田さん。
今回の作品選びについては、毎年兵庫県内の5000~6000人の中学生が来場する『わくわくステージ』の作品として、中学生にも興味を持ってもらえて、一般公演でもある演目でなければならないという視点で作品を探していたとのこと。今回の企画についてお話しいただきました。

――今回の企画のテーマ・思いについて

「最近、自分が人に不寛容になってきているのではないかと感じていました。劇団の若手たちに教え伝える際、少し下の世代には伝わることが、新しく入ってくる世代に対しては今までのやり方では通じないと感じることがあります。そこで、他者・彼らに対していかに想像力を働かせコミットメントしていくかを考えなければならないと思うようになりました。自分自身もそうですが、いま社会全体の想像力が痩せてきているのではないかと感じています。」

――なぜ「小泉セツと八雲」を演目として選んだのか

「二人を調べていくうちに、セツが松江に住んだのちに熊本・神戸・東京へ行きたがり、ハーン自体は松江に残りたがったということを知りました。アイルランド人の八雲は自国で受けたカトリック文化に疑いを持ち、セツ自身も松江のまちでの環境に疑問を抱いていました。お互いに祖国の故郷に対して疑問をもっている二人が、相手の中に安らぎを見たという関係性について非常に面白いと思いました。アイルランド人の小男で片目が見えない男性と、セツがどう距離を近づかせていったのか、考えていた自分のテーマと一致し今回企画させていただきました。」

――小泉セツと八雲へのイメージ

「八雲の話は、セツが語って聞かせた日本の口承文学で、それを八雲が非常に美しい英文で書いたものだということを知りました。特に作品のディティールに関しての二人のやり取りが、『下駄のはなおの色は何色だった?』などと、八雲が質問しセツが語る。そうやって八雲が「怪談(KWAIDAN)」にまとめたことが非常に面白いと感じました。」



【劇作家 角ひろみさん】
尼崎出身、東京や関西や岡山などの団体に台本を書き下ろして活動する劇作家の角さん。
ピッコロ劇団「第44回公演『虎と月』」では、鈴木田さんの演出とともに作品を作り上げました。
今回どのように劇作していったのかをお話しいただきました。

――今回の劇作と思いについて

「私自身が小泉八雲のことは知っていましたが、妻のセツに関しては知りませんでした。また、再話という手法、セツが話して八雲が書き上げるというスタイルで、作品がつくられていることも知りませんでした。わくわくステージに来る中学生にも知っている人はほとんどいないんじゃないかと思います。そこで、評伝や歴史に取っ掛かりやすい仕組みはないものかと、二人が立ち上げていった怪談の世界を、二人の近づいていく様子を含め進めていく方式だと面白いなと考えました。当時の二人の独自のスタイルで話がすすんでいく劇になっています。年表を見ていくというよりは、二人の関係性と二人が作った物語が、異界からの登場人物が出る中で八雲の世界として見えてくるような話になればと思っています。」

―― 一人の役者に対し複数の配役がされている仕掛けについて

「八雲の作品中に出てきた人もいれば、オリジナルの登場人物もいて、怪談の中に出てくる人とセツたちの身の周りの人が重なって見えるように描いています。現在と八雲の作品の橋渡しをするように、同じ人間がいろんなものに成り変わっていく様子が、見ている人の想像力を刺激し、様々な見え方ができればと思っています。目に見えているものばかりが今生きている世界ではないという思いが込められています。」

――小泉セツと八雲へのイメージ

「二人の夫婦の関係やコミュニケーションの取り方がものすごく特殊だと感じました。八雲は日本語が全く話せない、かたや、セツは英語が全く分からない中で二人は出会い、『ヘルンさん語』といわれる二人独自の片言の日本語でコミュニケーションをとり、二人独自の世界で話していきます。毎晩、二人はランプの明かり一つの中で怪談を話しながら作品をつくっていき、次第にへルンがセツを追い詰めていくような二人の異質なやりとりがされる中で、作品が作られていったことが面白いと思いました。」



メトミミトヤミ2


【質疑応答】
――小泉八雲を2016年に改めて取り上げる意味や、日本の近代化を危惧した八雲をどう現代日本に切り込んでいくのかを教えてください。

(鈴木田さん)
「忘れてはいけないものは何か?八雲は警鐘を鳴らしています。ラストに現代の風景を出すなどはしませんが、お客様に『このまま突き進んでいいものか?』というメッセージを渡したいと思っています。」

――「見えない世界に目を凝らす」をポイントとされているかと思いますが、これは何かの暗喩でしょうか?

(鈴木田さん)
「テーマである想像力の欠如に対する自分の考えとして、他者の中にある気持ち、善意やヨキモノなどの小さき声をいかにを聞き入れるか、声にならない声をどう耳を凝らせるように作るかを考えました。」

(角さん)
「タイトルでも『メトミミトヤミ』とありますが、おそらくほとんど何も見えない中で物を書いていった小泉八雲が、闇の中で見えないものが見えてくる直観や霊感など、そういうものが見ている方にも伝わればいいと思っています。できれば、そこにあるもの以外のものが見えてくれればと思いタイトルにも『ヤミ』を多用して仕掛けました。」


鈴木田さん・角さんのお話を聞いてるだけで、実際に公演を見たくなりワクワクしました!
記者懇談会のあとは、公開稽古を見学しました!公開稽古の様子は第2弾でご紹介します!

<第2弾はこちら

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